ゲーム, パフォーマンスマーケティング

2019年のモバイルマーケティング、注目の3つのトレンド

Nori Hayashi
1月 10日, 2019

みなさん、あけましておめでとうございます。2019年のマーケティングはどのように変化していくでしょうか?本日は新年の初記事として、今年のモバイルマーケティングの3大トレンドをご紹介したいと思います。

消費者のモバイルへの依存度は増す一方です。その中で、マーケターはユーザーのニーズを的確に捉える必要があります。モバイルアプリとウェブは、ただ「ある」だけではありません。プラットフォーム、デバイス、サービスと、すべてをまたぐ全体的な消費者の動向を考えていく必要があります。

 

音声検索マーケティングの普及

Alexa や Clova、Google Assistant、そしてSiri などの音声パーソナルアシスタントの普及が進んでいます。消費者が音声でのタスク実行や検索にどんどん慣れていく中、Apple やAmazon、 Google、Microsoft といった大手はこの技術をさらに発展させていくでしょう。 イギリスの調査会社 ComScore は、2020 年までに検索クエリの 50%が音声ベースになると試算していま す。

2019 年は、音声検索に関連した消費体験がより重要になるでしょう。音声入力は、電子レンジから車まで様々な場面に導入されています。Siri のように、モバイルに直接話しかけるわけでなくても、音声検索で得られる結果は、依然としてモバイル端末に依存する形になります。検索結果の表示やレストランまでの道案内、イベントの詳細の確認などはスマートフォンで行うことになるのです。したがってマーケティング戦略を練る上では、音声とモバイルがどのように連動するかを考慮する必要があります。

まずは、マーケターは音声サービスの提供のされ方・反応方法を理解し、音声検索から生まれる一連のフローに食い込めるようなコンテンツやサービスを設計する必要があります。例えばショッピングに注目すると、現状は Amazon のAlexa が最も多くの取引を行っています。意外かもしれませんが、その取引は Amazon だけに限りません。たとえば、英ネットスーパー大手Ocadoは、既存の自社アプリとうまく連動するAlexaスキルを開発し、消費者は音声を使って買い物かごの商品を追加・削除したり、注文を追跡したり、旬の食品の情報をチェックしたりできるようになっています。

現在、広告が導入されているのは Google と Amazon の音声プラットフォームだけですが、それも限定的です。たとえばAmazonの場合、「歯磨き粉を買って」など、一般的な音声指示の場合は、おすすめ商品を表示します。Google では、一連の決まったタスクを実行する「ルーティン」機能で流れるニュースの合間に、従来型のラジオコマーシャルを挿入しています。音声アシスタントのマーケティングでは、 EC と結びつけるのが自然ですが、音声の分野で新たなマーケティングの機会を探るためには、ユーザーの利用フローを考えてみることが大事です。ユーザーはすべてのタスクを音声で実行しているのか?あるいはモバイル のフローも必要になるのか?シームレスなユーザー体験を提供するためには、音声とモバイル体験をどのように連動させるべきなのか?考えなければいけないことは山ほどあります。

すでにショッピングに大きな影響力を持つ Alexa を通じた売り上げの促進、検索大手の Google の利点を生かす戦略、主要なデモグラで普及するSiriを通じた市場の活性化など、いずれにせよ、時間を費やして取り組めばその対価は得られるはずです。

 

モバイルマーケティングはより効率的で、透明性が高く、フェアなものに

モバイルは世界最大のコンピューター・プラットフォームですが、まだデスクトップ広告から学べることは多くあります。現在みられるトレンドの1つとしては、デスクトップで生まれたテクノロジーであるヘッダービディングへのシフトがモバイルで起こっていることが挙げられます。ヘッダービディングは、広告主がパブリッシャーの広告在庫に一斉入札をすることができる仕組みです。現在のモバイル広告のスタンダードは、パブリッシャーが事前に設定した、いわゆる「ウォーターフォー ル」の順番に沿い、優先順位が付いて広告在庫が振り分けられます。ウォーターフォールの仕組みも生き残ってはいますが、ヘッダービディングはモバイルの世界でも広告の新たなスタンダードになりつつあります。

モバイルにおけるヘッダービディングの最大の利点は、その効率性です。ウォーターフォールとは違い、一斉に自動的に入札が行われ、常に最高値で入札した広告が広告枠を獲得します。広告主はあらゆる広告在庫において、自動化された入札に一斉に参加できるので、より理想的なユーザーにリーチしやすくなりますし、デベロッパーは、より最適化された環境でマネタイズできるようになります。ヘッダービディングによって、 モバイル広告のエコシステムはよりフェアな環境になるのです。

また、ウォーターフォールとは異なり、広告主が平等に入札の機会を得られることから、ヘッダービディングでは広告枠の取引の透明性が増します。今年はヘッダービディングがモバイルのエコシステムに浸透し、最終的には、消費者によりマッチした広告が届けられようになることが期待されます。

 

広告クリエイティブはよりクリエイティブさが求められるように

モバイルマーケティング成功の鍵は、訴求力の強いクリエイティブです。広告のクオリティはこの数年で劇的に向上しています。急速に変化するモバイルの世界では、ユーザーを惹きつけられるトレンドはすぐに新たなスタンダードになります。巷には素晴らしい広告がいくつもありますが、半年前には印象的だった広告が、もはやいまの目標達成には結びつかないこともあります。

動画広告は引き続きモバイル広告の主流ですが、なかでも、潜在ユーザーに実際にゲームを「お試し」させられるプレイアブル広告が増えています。プレイアブル広告では実際にゲームをプレイさせることができるため、より高いエンゲージメントを生み出します。2019 年は、注目を引くだけでなく、エンゲージメントを高める広告のフォーマットやアイデアが必要になるでしょう。利益拡大だけでなく、業界全体の飛躍につながるはずです。

消費者とモバイルコンテンツの関わり方は、昨年の1年間で大きく変わりました。消費者は音声検索や目を引く広告などを通し、上質な広告キャンペーンをすぐに見つけることができます。またモバイルゲームのユーザーの間では、ハイパーカジュアルゲームの存在感が業界全体で非常に大きくなっています。

モバイル業界では、マーケティングが成熟期に入り、消費者の一連の体験を完成させることの重要性が増していて、そうした流れが全体的なトレンドを構築しています。マーケターが 2019年以降も業界を生き抜くカギは、ヘッダービディングなどの新しいテクノロジーを導入する重要性、そしてプラットフォームやサービスなどすべてを含むユーザーの一連の体験を完成させること、それぞれの重要性を理解することだと思います。

 

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