ブランド広告, 高インパクトのクリエイティブ

ゲーミフィケーションをプレイアブル広告で活用する方法

Aimee Kessler Evans
9月 8日, 2024
Extending gamification into playable ads

高いエンゲージメントが期待できる要素をUAキャンペーンに取り入れるには

モバイル広告は、アプリ内のバナーから始まり、現在ではオーディエンスの注目を集めてコンバージョンに導く没入型の体験へと進化してきました。最新の広告フォーマットの中で、プレイアブル広告(Playable ads)はそのエンゲージメントの高さと革新性で他とは一線を画しています。プレイアブル広告は、潜在顧客を受動的な傍観者から能動的な参加者に変え、広告とゲームの境界を曖昧にするインタラクティブ性でオーディエンスを引き込みます。

かつて、プレイアブル広告はモバイルゲームでしか使われていませんでした。両者の相性がいい理由は簡単です。ゲームアプリは実質、ユーザーに無料サンプルを提供しているのと同じだからです。プレイアブル広告は、ゲーマーがアプリをダウンロードする前にゲームを試す機会を提供します。これにより、広告のゲームを気に入った消費者、つまり継続してプレイする可能性の高い消費者だけを獲得することが可能になります。

モバイルアプリが進化し成熟するにつれ、非ゲームアプリは成功を収めたゲーム分野から多くのことを学んできました。最近では、アプリ内リワード、ストリーク、リーダーボードなど、ゲーミフィケーションの要素を取り入れる非ゲームアプリが増えています。

これには例えば、毎日食事を記録することでリワードが得られるカロリー計算アプリや、レッスンを完了するとポイントがもらえ、アバターのアップグレードや特別な機能を追加で利用できる語学アプリなどがあります。ストリーク(数日間連続でアプリを起動するともらえるリワード)は人気の要素です。なぜなら、SnapChatや瞑想アプリなど、カテゴリーに関わらず、ユーザーはこれまで続けてきた記録を途絶えさせたくないと思うからです。また、魅力的なリワード狙いというわけではなく、毎日続けているという達成感がユーザーにとってのモチベーションになっています。

この文脈において、Duolingo、Fitbit、SnapChatなどのアプリに採用され効果を発揮しているゲーミフィケーションの原理は、アプリの枠を超えて、驚くべき効率でユーザーを引きつけコンバージョンに誘導するプレイアブルな広告に拡張することができます。

遊びの心理学

ゲーミフィケーションとプレイアブル広告の両方の魅力を理解するためには、遊びの心理学を学ぶことが役立ちます。普段はあまり意識することはありませんが、遊びは人間の基本的な活動です。遊びには、ストレスを和らげたり、創造性を高めたり、記憶力の低下を防いだりと、脳にとってさまざまなメリットがあります。

Front Psycholの研究では、年齢を問わず「適度に」ゲームをプレイしている人々が、幸福感、ポジティブな感情、情緒の安定性の向上を経験していることが示唆されています。また同研究では「面的に興味を引く活動が、集中力や楽しさを高め、フロー状態や最適な没入体験を生み出す」とも認識されています。

このエンゲージメントが高く保たれた状態が、ゲームをやみつきになる、効果的なものにしているのです。遊びは内発的な動機によって引き起こされるものであり、ゲーミフィケーションはこのような動機を利用することで、平凡なものをやりがいのある体験に変えることが可能です。ゲーミフィケーションを活用してエンゲージメントを促進するアプリは、こうしたゲーマーの動機を利用して、ユーザー獲得のための広告を成功に導くことができます。

さらに詳しく

ゲーマーのモチベーションはどのように高パフォーマンス広告につながるのか、クリエイティブトレンドリポート2024で詳しくご覧ください。

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理想的なプレイアブル広告を作るには

心に残る第一印象を作る

プレイアブル広告の成功を左右するのは最初の数秒です。ユーザーのアクションを促す魅力的なスタートで好奇心を刺激しましょう。魅力的で目を引くコンテンツによって、アプリの価値を即座に伝えることができます。実際の例としては、ユーザーに流行りの服でコーディネートを作るよう促し、その服をストアで買うことができるという大手ショッピングアプリの広告が最近ヒットしました。

シンプルな体験を提供する

魅力的なプレイアブル広告は、直感的かつナビゲーションも簡単で、ユーザーは数秒で何をするべきかを理解できます。ここで言う「シンプル」とは、地味でつまらない体験という意味ではありません。ユーザーを楽しませつつも合理化された広告にする必要があります。アプリのゲーミフィケーション要素がシンプルであるように、プレイアブル広告も同様に簡素なものにしましょう。例えば言語学習アプリの場合、正解と不正解のリアクションが楽しい、簡単な語彙力テストなどを採用できます。

即座に満足感を与える

上記の語学学習アプリの例に関して、ゲーミフィケーションで重要なのは即座にフィードバックがあることです。ユーザーがすぐに達成感を感じられるようにしなければなりません。問題に正解した際の「いいね!」のようなシンプルなフィードバックでも良いので、即座に満足感を得られる要素をプレイアブル広告に盛り込みましょう。さらに、画面にハイタッチのリアクションややる気を起こさせるメッセージを表示することで、ゲーマーのモチベーションを満たすことができます。

主要な機能をアピールする

アプリの縮図であるプレイアブル広告では、特に魅力的な機能を紹介する必要があります。これには絶妙なバランスが求められます。消費者の興味をそそり、ダウンロードを促すのに十分なボリュームのサンプルを提供しましょう。プレイアブル広告のアピール文は簡潔さが重要で、長い文にする必要はありません。

ストーリーを作る

人はストーリーに反応するようにできています。ストーリーは、プレイアブル広告内のアクションに文脈を与え、体験をより魅力的なものにしてくれます。アプリの目的に沿った短いストーリーを作ってみましょう。例えば、プロジェクト管理アプリの場合、忙しいビジネスパーソンの一日のタスクにチェックマークをつけるゲームなどがユーザーの興味を引くかもしれません。広告クリエイティブを通して、アプリのインターフェイスの洗練された外観とシンプルさをアピールしつつ、いくつかのタスクが完了したらリワードとしてユーザーに画面上でコーヒーをプレゼントするなど、ゲーマーが求める満足感を提供することができます。

効果を計測する

他のデジタル広告と同様に、プレイアブル広告の効果は、クリエイティブへのエンゲージメント、コンバージョン率(リード、売上、ダウンロード、その他の指標を計測しているかどうかに関わらず)、そして最終的にはユーザーや顧客の長期的な(または生涯にわたる)価値によって計測されます。また、他のインタラクティブな広告フォーマットと同じように、ユーザーが広告とどのように関わり、どこで離脱したかをトラッキングし、何が効果的で何がそうでないかを把握することで、今後のパフォーマンスを最適化し改善することができます。

また、プレイアブル広告を通じて獲得した顧客やユーザーの行動を計測することも重要です。ユーザーのエンゲージメントはより高くなっているか、他の広告よりも高い継続率を示しているか、といった点は、ゲーミフィケーション広告戦略の真の効果を評価するための重要な指標です。

プレイアブル広告は、新たなブランド体験を生み出す機会です。ゲーミフィケーションの原理をアプリからインタラクティブ広告に拡張することで、ブランドは魅力的でユーザーの記憶に深く残る、効果的な広告のタッチポイントを作ることができます。このアプローチにより、最初のインタラクションからつながりやアプリに対するロイヤリティを育みながら、ユーザーの興味を引くことが可能になります。

貴重な(そして薄くなりつつある)消費者の関心をめぐる競争は、ほとんどすべてのカテゴリーで熾烈を極めています。そんな中で、遊びの力は大きな影響をもたらすものとなります。見るだけでなく体験できる広告を導入することで、ブランドは人間の本質的な動機である好奇心、何かを極めたいという気持ち、新しいものを発見する喜びを引き出すことができます。広告に遊び心をプラスし、楽しいプレイアブル広告で高いパフォーマンスを達成しましょう。

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