Belka Games：ユーザーエンゲージメントとリテンション率を向上させる6つの戦略的ヒント

プレイヤーのエンゲージメントが高く、何度も繰り返しプレイしたくなる人気ゲームを作るには何が必要なのでしょうか？この記事では、Belka Games の研究開発責任者、Pavel Sudakov 氏とエグゼクティブ・プロデューサー、Eugene Gilmanov 氏に、すべてのゲーマーに魅力的なプレイ体験を提供し、ユーザーエンゲージメントとリテンション率を向上させるためのヒントを聞きました。

新しいゲーム開発の企画において、ユーザーエンゲージメントやリテンション率をどのタイミングでプロセスに組み込んでいますか？

開発初期段階における研究開発部門との会議では、エンゲージメントとリテンション率の指標が不可欠であり、この段階では収益化のベンチマーク以上に重要です。当社は通常、市場データ、予測、長期的なリテンション率戦略に基づいて製品仮説の構築を始めます。ここで重要なのは、ゲームの面白さを証明することであり、LiveOpsや他のリテンション率メカニクスではなく、コアゲームループからベンチマーク指標を達成することを目指しています。ソフトローンチの場合、コアゲームループの基盤が不安定だと、その先ゲームメカニクスやアクティビティを追加したとしてもすべて崩壊してしまうでしょう。

常に新しい、魅力的なゲームを提供するための秘訣は何ですか？

まず、ゲームクリエイターやデベロッパーが予期せぬ状況に直面しないようにすることが重要です。当社は、市場や競合他社を継続的かつ綿密に分析し、ゲームのトレンドを的確に把握すると同時に、最も新しく魅力的なゲームメカニクスや LiveOps をプレイヤーに提供するため、常にコアゲームプレイを洗練させ、改善しています。よって、プレイヤーが何を求めているかを理解しなければなりません。たとえば、『ソリティア』のプレイヤーはスロットマシンやボードゲームを好む傾向がある一方で、『Bermuda Adventures』のプレイヤーはお気に入りのキャラクターの服を着せ替えるなど、より細かくカスタマイズできる仕組みを求めています。つまり、どんな人がゲームをプレイしているのか、どのような体験を求めているのかを理解することが重要なのです。

『Bermuda Adventures』には、どのようなエンゲージメント向上戦略を適用しましたか？

このタイトルには、開発時から魅力的なストーリーと強力なプロット、シナリオがありました。当社は、競合他社の多くが陥る間違いを避け、当社の農場・冒険シミュレーションゲーム『ファンキーベイ – 牧場と冒険の物語』のリリース以来学んだことをすべて活かそうとしました。ゲームのメカニクスに絶対的なものはありませんが、『Bermuda Adventures』では、個性豊かなキャラクターが活躍するファミリーストーリーをリアルに表現したかったのです。当社は、バミューダ諸島に不時着してしまった家族の非日常的な冒険を通して多様性を前面に押し出すことを重視しています。このアプローチのおかげで、ゲームリリース直後から好評を得ることができ、より良い製品を作るための後押しとなりました。

Belka Games では、KPI をサポートするリテンション率戦略をマーケティングに組み込むときをどのような点を重視していますか？

当社のユーザー獲得（UA）チームの主な目標は、アプリ内と広告の収益化を両方活用して、アプリインストール後360日間で100%の ROAS を達成し、ROAS とインストール価値を最適化することです。そのためには、どのゲームプレイイベントもユーザーが楽しめるものにしなければなりません。つまり、オーディエンスがゲームのメカニクスを理解していること、イベントに積極的に参加すること、そしてプレイヤーのアクティビティやコア体験にプラスの影響を与える LiveOps イベントが重要だということです。

KPI 目標を達成するために、当社はリテンション率の理想的なコホート（1日目 = 40%、7日目 = 20%、30日目 = 10%）と長期的なリテンション率に重点を置いています。また、その他で気を付けているところは、初回のセッションと、ユーザーが問題に直面する可能性のあるすべてのステップを分析し、エンゲージメントファネルをより深く理解できるようにしています。

さらに、LiveOps のイベントには独自のエンゲージメントと収益化のベンチマークがあり、あらゆる新機能がユーザー体験に付加価値をもたらすようにしています。当社は、ユーザーにゲームとの感情的なつながりを築いてもらうために LiveOps を早期に取り入れ、スキップ不可のオンボーディングチュートリアルで LiveOps の機能を紹介しています。ゲームの初回ローンチ後、当社は DAU の50%にイベントに参加してもらうことをベンチマークにしており、それに向けて Facebook グループで告知をしています。最近では iOS や Google Play でのイベントプロモーションを開始し、プレイヤーの習慣を作ることを目指しています。たとえば、特定のスロットイベントが好きなプレイヤーがいるとしたら、そのイベントが月曜日から2日間開催されること、あるいはその人の好きな別のゲームで日曜日から7日間イベントが開催されることを周知します。通常のイベントだけでなく、サプライズイベントなど、ユーザーに興味を持ち続けてもらうための工夫を取り入れています。

Belka Games では、どのように ARPDAU を計測・モニタリングし、そのデータに基づいてエンゲージメント戦略を調整していますか？

当社がリターゲティングキャンペーンとリターンボーナスに使用している期間は5日間と30日間です。ARPDAU は多くのユーザーコホートを含んでいるため、当社にとってはメインの指標ではなく、正確なコホートを得るのにインストールあたりの収益（RPI）を使用しています。そして、さらに重要なのが、インストールごとの生涯収益 (LTV) を表す指標である収益 RPI 比率です（例：30日目/7日目）。アプリの7日目の RPI が良くても30日目が弱くなる可能性があり、LTV や ROAS モデル全体に影響を与える可能性があるため、当社では指標そのものと比率を高めています。

エンゲージメントとリテンション率について、多くのデベロッパーが見落としがちなことは何でしょうか？

ゲームの機能はどれも、ユーザーに新たな価値と体験をもたらすものでなければなりません。ユーザーにとって楽しくて役に立つのはもちろん、マーケティング指標にもプラスの効果があるものが求められます。当社のチームは、ゲームに何らかの変更を加えるには、その根拠となる強い理由が必要だと考えています。もちろん、変更をさらに正当化し、ゲームプレイへの影響を確認するために A/B テストも行います。

重要なのは、1日あたりのアクティブユーザーにとって何が有効で、何が有効でないかを把握し、それに応じて変更を加えることです。また、ゲームプレイをどのくらい複雑にするかにも細心の注意を払わなければなりません。プレイヤーのスキルは一人ひとり異なるため、それぞれにとって最も魅力的で、挑戦心を刺激するセッションを提供することが重要です。

もう1つ、経験の浅いデベロッパーの多くが見落としがちなのが、イベントやメカニクスのオンボーディングを完全なものにすることの重要性です。この点を軽く見てはなりません。なぜなら、せっかくユーザーがゲームをインストールしてくれても、機能を理解できなかったらアプリに戻ってくる理由がなくなるからです。よって、Belka Games ではすべてのコホートのエンゲージメントを高め、収益化することを目標にしています。

Belka Gamesの最新タイトル『Bermuda Adventures：島で農場経営冒険ゲーム』の詳細については、AppLovin のブログ記事と Belka Games の Webサイトをご覧ください。