パフォーマンスマーケティング, 収益化

「教えて!達夫先生」〜eCPM はどのように決まるの?〜

Tatsuo Sakamoto
6月 20日, 2018
坂本 AppLovin

アプリの世界は面白いけど、情報が錯綜していてわからないことが多い!

そう考えている皆様!私 AppLovin 達夫が、AppLovin マーケティング担当の Amy と共に、皆様のお悩みを解決します

 

嬉しいことに、僕は毎日のように多くの方々からアプリに関するお問い合わせをいただいています。そこで、特によくある質問をピックアップしてブログ上でお答えする新シリーズ、題して「教えて!達夫先生」をスタートする事にしました!

記念すべきシリーズ第一回目は、「eCPM はどのように決まるの?」という質問にご回答いたします!僕と Amy は関西人なので、今回は関西弁で楽しく解説いたします(笑)。

 

ね〜ね〜達夫先生、そもそも eCPM ってなんなん?!

え、Amy すでに AppLovin に入社して1年以上たつのに、その質問はちょっとヤバない…?

 

前勉強したけど、年のせいかすぐ忘れてしまうねん。。教えてよ!

eCPM は Effective Cost Per Mille の略で、「広告を1,000回表示した時にいくら儲かるか」という、収益性をあらわす指標やねん。ちなみに Mille (ミル) ってのはラテン語で1,000 (千) って意味の単語ね。

 

CPMは「1,000あたりのコスト」なのね。eってなんなん?普通のCPMとはどう違うん?

配信されてる広告の中には、CPM つまり広告表示、インプレッションの時点で収益になるものだけじゃなくて、CPC、つまりクリック時点で収益になるものとか、CPI つまりアプリがインストールされてはじめて収益になるものとかも混ざってるねん。せやから CPC とか CPI の案件のときは、表示時点ではまだ実際の収益は確定してない・分からない状態なんやけど、実績から逆算して、CPM に換算するといくらになりますよ、ってのを計算した数字が「実質的な = effective」CPM ってわけ。

 

分かったような、分からないような。実際にはどうやって計算するん?

eCPMの計算は、以下の数式を使うで。

 

eCPM=(広告収益÷インプレッション数)×1,000

 

例として、CPI 広告だけが配信されてるとするで。広告見た人のうち10%がクリックして、クリックした人のうち4%がアプリをインストールする、インストールされると広告主はメディアに$5を支払うとする。

 

CTR (Click Through Rate = クリック率) : 10%

CVR (Conversion Rate = コンバージョン率) : 4% 

CPI (Cost Per Install = インストール単価) : $5

 

てことは、500回広告が表示されたら、50回クリックされて、2回アプリがインストールされるから、$10の収益になるってことね。これを eCPM に換算すると、広告収益= $10、インプレッション数= 500 なのど

 

 (10÷500) x 1000= $20

 

つまり1,000回の広告表示に対する収益が$20やから、eCPMは$20ってわけ。ちなみにクリック率がこんなに高いのは、バナーのミスクリックとかじゃなくて、全画面の動画広告やからやで。

 

なるほどね〜。動画広告でeCPM $20ってのは高いほうなん?

うーん、正直メディアによって eCPM って全然違うから、なんとも言えへんな。やから他の人と比較してもあんま意味ないと思う。

 

そうなんや〜。eCPM はどうやって決まるん?

さっきの計算でいうと、変数はクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、インストール単価(CPI)の3つがあるやん。それぞれの数字が大きければ大きいほど、eCPMは比例して大きくなるわけね。

 

せやな。

クリック率(CTR)は、広告を掲載してるメディアと広告案件の相性が良ければ、つまりユーザーがより興味を持ちそうな案件を配信できれば高くなる。広告クリエイティブが魅力的であれば更に良いけど、メディアと案件のマッチングのほうが影響度としては大きいな。

 

私がやるような可愛らしいパズルゲームの中に、戦車で対戦するようなハードコアなゲームの広告とか出てきても、いくら動画が綺麗でもあんまりクリックされへんもんな。

さりげなく自分可愛いブランディングしてない?

 

えっ?

コンバージョン率(CVR)は、同じくメディアと案件のマッチングで多少上下するけど、正直言うと案件自体によってほぼ決まってるようなところがあるな。誰でも気軽にインストールするようなカジュアルゲームは 総じて CVR 高くて、よりコアでニッチなゲームは CVR 低い、っていう風に。もちろん、ユーザーからの評価が高いとか、アプリストアの見た目や説明文が魅力的であればあるほど、CVR は高くなるで。

 

なるほどね。で、CPI は広告主が1インストールに対していくら払ってもいいと思ってるかで決まるんよね。

そう。傾向としてはアプリのLTV (Life Time Value = 1ユーザーあたりの生涯価値) に依存するから、よりハードコアなゲームだと CPI は高めに設定されてることが多くて、カジュアルなゲームは低いね。

 

てことは…eCPM は自分でコントロールできない?

せやな、CTR も CVR も CPI も、配信される案件とクリエイティブで決まるから、基本的にはコントロールすることは出来ないと思ったほうがええね。

 

じゃあ、eCPM が伸び悩んでるデベロッパーさんはどうしたらいいの?

そもそも eCPM 気にしすぎなデベロッパーさん多すぎると思うねんなぁ。

 

え、どういうこと?

eCPM 気にする前に、アプリ自体を改善して継続率を上げて、継続できるユーザー獲得の仕組みを作ったほうがええと思うんよね。例えばやけど eCPM を +20% 上げたところで、月の収益が 10 万円しか無かったらプラス 2 万円にしかならないわけで。個人的には、もっとアクティブユーザーの母数が大きくなるまでは、eCPM を上げるところにリソースを割くんはあんまり効率よくないと思う。

 

じゃあ、アクティブユーザーが増えてきて、収益性を上げようって段階になったら、何をすればいいん?

まず大前提として、配信アルゴリズムが優れたアドネットワークを使うこと。メディアごとに相性がいい、eCPM が高い案件って違うから、データをもとに自動的に良い案件をより多く配信してくれるようになる広告ネットワークを使わないと、営業の人とのやり取りで時間を無駄に食っちゃったり、相性悪い案件を流しちゃって機会損失になっちゃうからね。

あと、ポイントとなるのはメディエーションツールの活用と、AppLovin の Zone 機能 に代表されるような「単価を自分でコントロールできる」機能を使いこなすこと。要するに、自分で「どのアドネットワークから、単価いくらの広告を配信して、どういう優先順位で表示させるか」のロジックを決めるってことなんやけど…

 

難しそうね。

せやな、理解しちゃえば大したことないし、運用の手間もかなり減らせるんやけど、多分それだけで30分以上余裕で話せちゃうから、その話はまた次回にしよか(笑)。今すぐ知りたいって人は Twitter (@tatsuosakamoto) まで問い合わせていただけたら個別にレクチャーしましょう!

 

いかがでしたか?少しでも皆様のお役に立てるように、こちらのシリーズ記事を継続的に公開していく予定です。どうかお楽しみに〜!

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