アプリ内ビディング, モバイルアプリ成長

A/Bテストを最大限に
活用する方法

AppLovin Japan
7月 4日, 2023
A/B Testing Graphid

A/B テストは、アプリを長期的に成長させ、持続的に収益を増加させるための重要なツールです。A/B テストにより、ユーザーがどのようにコンバージョンに至っているかを理解し、成長の鍵となる以下のような情報に対するインサイトを得ることができます:

  • 新規ユーザーを引き付けているものは何か
  • ユーザーがアプリ内でどのような行動をしているか
  • ユーザーの共感を継続的に得て、アプリを利用し続ける理由となっているものは何か

では、この重要な最適化テクニックをどのように取り入れたらいいのでしょうか?この記事では、成長と継続率を促進することが証明されている A/B テストのヒントと戦略、さらに AppLovin MAX で A/B テストを構築する方法を説明します。

A/B テストとは?

A/B テストでは、オーディエンスを2つ(またはそれ以上)のグループに分け、それらのグループに配信するコンテンツフロー内の変数を変更し、その変更がテストグループに与える影響を観察することができます。

データを活用することで、データ主導の意思決定を行い、ユーザーの体験を改善するとともに、新規ユーザーの獲得を促進し、アプリのマネタイズを向上させることが可能になります。

A/Bテストの各種タイプ

A/B テストを行う場所は主に次の2つです:

  • マーケティングキャンペーン:ASO(アプリストア最適化)とユーザー獲得戦略を含みます。
  • アプリ内:UX/UI、オンボーディング、その他の要素をテストし、セッション時間、継続率、エンゲージメント、その他アプリ固有の行動をモニタリングします。

MAX は、アプリ内テストで広告収益を最適化するためのツールを提供します。これにより、以下に対するテストが可能になります。

A/Bテストを開始するうえでの例

ユーザー獲得/アプリストア最適化(ASO)

A/B テストでは、複数のアプリストア戦略をテストすることで、既存ユーザーへのサービスを向上させ、より効果的にマネタイズを行い、結果に基づいて新規ユーザーの獲得方法を決定することができます。これには、アプリストアのアプリのページに使用される画像、スクリーンショット、説明文など、さまざまな要素が含まれます。このページは、複数の要素をテストして、ユーザーにアプリをインストールしてもらうのに必要な要素を導き出すのに役立ちます。

  • アプリ内テスト – アプリ自体において、A/B テストを使用して多岐にわたる要素をテストすることができます。
  • デザイン – CTA(行動喚起)ボタンが最適な位置に配置されているか、ボタンは左側・右側どちらの方がよりクリックされるか、複数の色を使うことでクリック数が増えるかなどの点をテストします。
  • プレイヤーのエンゲージメント – リーダーボードで順位を表示することでプレイヤーのエンゲージメントが高まるかどうかをテストします。A/B テストからエンゲージメントに関するインサイトを得ることができます。
  • 収益化 – 複数のバナーを試したり、さまざまなアプリ内課金をテストしたりして、どれが最も多くのクリックを発生させるかを調べます。

テストで焦点を当てるべきポイント

上記のとおり、テストするオプションや要素が数多くある中で、特に注目すべき最も重要な要素は何でしょうか?A/B テストで最もよくテストされている要素を紹介します:

継続率:iOSAndroid のアプリ継続率に関するこれらのレポートによると、30日目の平均継続率はそれぞれ4.13%、2.6%となっています。アプリにおいて離脱は避けて通れないものですが、この数字は厳しいように見えても、ここで重要なのは、これだけの割合のアプリが効果的な取り組みに成功しているということです。

あるユーザーがアプリをダウンロードした後、以下のうちいずれかをテストして、何がユーザーがアプリを利用し続ける理由になっているかを調べることができます。

  • プロモーション用コンテンツ、売上、アップグレードオプション
  • 特定の製品機能(ユーザーが魅力的に感じる、アプリの主力機能)
  • さまざまなタイプのアプリ内課金、ユーザー向けリワードなど

収益化:収益化をアプリ内広告で、アプリ内課金で、またはその両方で行うかにかかわらず、A/B テストを実施して収益化戦略を最適化することができます。以下にいくつか例を挙げます。

  • 広告設定をテストする:複数の広告収益化戦略をテストし、新しいネットワークを追加または削除した場合に収益が増加するかどうかを確認できます。あるいは、新しい価格ポイントや地域的なウォーターフォールの最適化などをテストすることも、LTV を最大化する機会を特定するのに役立ちます。
  • IAP を増加させる可能性のある要因をテストする:A/B テストにより、複数の顧客エンゲージメント方法やメッセージングをテストし、どれが最も効果的かを確認することができます。さまざまなメッセージの内容や長さを試し、CTA に注目することで、何が本当にユーザーの共感を得られるかがわかります。

オンボーディング:オンボーディングプロセスは、合理化され、わかりやすく、スムーズである必要があります。A/B テストを行うことで、ユーザーがつまづきやすいポイントを把握できるほか、上手くいったところをさらに改善することができます。ユーザーが満足している部分を理解したうえでオンボーディングを最適化することで、ユーザーがアプリを継続的に利用してくれるようになります。以下のポイントを参考に A/B テストを行って、オンボーディングの体験を向上させましょう。

  • 複数パターンの登録のタイミングをテストする:ユーザーはアプリを起動してすぐに登録しなければならないデザインになっていますか?それとも、登録の前にある程度の時間を設けていますか?ユーザーに登録するかどうかを決める時間を与えることで、アプリの魅力をアピールする時間が増えるとともに、すぐに登録画面を表示するよりもユーザーが体験を「邪魔されている」と感じにくくなります。
  • さまざまなオンボーディングフォームをテストする:ユーザーの登録後、フォームへの入力ができる限り素早く、簡単にできるようになっていますか?どのようなタイプ(ソーシャルメディア、メールアドレスなど)のログインが可能ですか?複雑な、あるいはわかりにくいオンボーディングプロセスはユーザーを失う原因となります。さまざまなフォームやフローをテストして、最も上手くいくものが何かを確認しましょう。
  • 異なるパターンのオンボーディングフローをテストする:オンボーディング体験の途中で残りのスクリーンやステップの数を表示することで、ユーザーはそのプロセスがいつ終わるかを知ることができます。残りのスクリーンの数を表示するのと、進捗度をドットで示すのではどちらがより効果的かなど、さまざまなデザインレイアウトをテストすることを検討しましょう。
  • さまざまなメッセージングをテストする:A/B テストでは、複数パターンのメッセージングを試して最も効果的なものを確認することができます。そして、これを基にユーザーの心理や動機を理解し、メッセージングを微調整することが可能になります。テキストは明確・簡潔でわかりやすく、役立つ情報を盛り込んだものにしましょう。「簡単」「シンプル」「無料」「大人気」「新しい」「実績のある」「節約」など、短く、アクションを促す言葉を選び、オーディエンスとつながることが重要です。さまざまなメッセージの内容や長さを試し、CTA に注目することで、何が本当にユーザーの共感を得られるかがわかります。

テストを行う期間

一般的に、1〜4週間あれば有意義なデータが十分に得られます。上限は4週間程度とするべきでしょう。なぜ4週間かというと、A/B テストは厳密に制御された環境ではなく、予測できない要因(突然の障害、予期せぬ傾向など)が突然発生し、データに影響を与える可能性があるためです。データ収集の時間は十分に設ける必要がありますが、想定外の外部要因によってデータが汚染されるリスクがあるほど長期に設定しないことが重要です。 

テスト対象のユーザー数

Nielsen Norman Group によると、統計的有意性とは、観察された結果が、根本的な原因なしにランダムに発生した可能性がある確率のことです。この数値が5%より小さければ、有意な発見とみなされます。例えば、A ボタンと B ボタンの2色をテストし、それぞれのクリック数(コンバージョン率)を計測した結果、B ボタンのコンバージョン率が有意に高かった場合、すべてのユーザーのコンバージョン率は B ボタンの方が高くなると95%確信することができます。

MAXで A/B テストを作成する方法

MAXで初めて A/B テストを作成する場合は、以下の手順に沿って行ってください。

  1. MAX ダッシュボードの左側にあるナビゲーションメニューで、Mediation > Manage > Ad Units の順に選択します。
  2. A/B テストを作成したい広告ユニットをクリックします。
  3. Edit Ad Unit ウィンドウのデフォルトウォーターフォールタブで、⋯メニューを開き Create A/B Test を選択します。
  4. Copy existing ad unit configuration…のチェックボックスを選択し、Create A/B Test をクリックします。これにより、既存のウォーターフォールが新しいテストにコピーされます。
    注:MAX は、既存のウォーターフォール構造を、作成したテスト構造にコピーします。新しいテストの広告ユニットで、テストしたい変更のみを加えてください。新しいウォーターフォールを一から完全に構築する必要はありません。
  5. 新しい A/B テストを作成する際、MAX はデフォルトで、テスト設定をユーザーの50%に適用します。この値は変更可能です。

これで A/B が作成できました! 次のステップに進みましょう。

A/B テストが作成できたところで、何のテストから始めたらいいのでしょうか?また、効果的なテスト方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

テストしたいものを決める:ほぼあらゆるものをテスト・分析の対象にできますが、仮定を立てることから始めるのがいいでしょう。

1回につき1つの変更をテストする:A/B テストでは複数の変更を加えることができる一方で(多変量テスト)、まずは1つの変更を試してみるのが賢明です。これにより、結果を改善させている(あるいはマイナスの影響を与えている)要因を特定しやすくなります。

今すぐ MAX で A/B テストを開始し、ユーザーのエンゲージメントと維持率を向上させましょう。

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