Lion Studios は先日、サンフランシスコにてモバイルゲームのハッカソンを開催しました。革新的で面白いモバイルゲームを開発するという情熱の下、さまざまな国やバックグラウンドのデベロッパーが集まりました。4日という期間で、4つのチームがアイデアの観念化と反復、そして最終的にゲームをローンチすることを競いました。
ハッカソンには、パキスタン、インドネシア、米国の地域からデベロッパーが参加し、参加者の経歴はゲーム開発歴7年超から、まったくの未経験に至るまで幅広いものでした。プロジェクトに最初から最後まで携わることにわくわくしながら、参加者はそれぞれに異なる得意分野や文化的視点を持ち込みました。
まずチーム分けの発表が行われ、その後参加者はすぐに Lion Studios が用意供するリストからテーマを選んで基本的なゲームプレイのアイデアについて議論を始めます。「ボードゲーム」、「迷路・脱出系」、「カジュアルRPG/カードバトル」、「ジャンプ/パルクール」のカテゴリより選択し、これをゲーム開発のヒントにします。
各チームは、どのようなテーマやスタイルがゲーマーの目を引くかを考えます。宇宙を舞台にコーギー犬を絡ませる意外な発想もあれば、探偵とマフィアをテーマとしたストーリーにするものもありました。こうしたアイデアをまとめて具体化し、ゲームプレイに落とし込み、キャラクターなどを決めます。そのプロセスでは反復を繰り返し、改良の道を探り続けます。
参加者がもっとも意識しているのは、自分のゲームをほかよりも際立たせる方法です。面白い切り口でのゲームプレイの盛り込み方やエンゲージメントにつながるような魅力的なストーリー展開の組み入れ方など、ゲームが口コミで広がる上でのカギがいくつかあります。一方で、機能追加(アドオン)の余地を持たせることやコントロール方法をシンプルにすることを徹底すること、そしてもちろん、誰もが楽しめるゲームを開発することも重要です。
こうした改良を重ねながら、チームはリアルタイムでコラボレーションしました。最終的に決まったテーマ/タイトルは、『Entangled』、『Shadow Alley』、『Fashion Shoot』、『Corgi Space Rescue』でした。筆者はあるチームと昼食をとりながら進捗について聞きました。ハイパーカジュアルゲームの『Shadow Alley』を開発することにしたこのチームは、すっきりとしたグラフィックで革新的なゲームを目指し、最終的にはCPI(インストール単価)を下げることも目標として、ゲーム開発に取り組んでいました。探偵がマフィアを追いかけるといったテーマで、プレイヤーの好奇心を保つために「光」と「影」を巧みに使おうと考え、敵を倒したときに出るレーザー光線のようなビジュアルエフェクトを盛り込みました。Shadow Alley のチームの1人は、「ゲーム開発の40%はストーリーテリング(物語の構成)で、60%は革新性だと思います。まずゲーマーの興味を引くテーマを選び、繰り返しプレイしたくなるようなゲームプレイを作り出すことが大事です」と言います。
イベントの最後には、参加者が全員集まり、それぞれの試作品をプレイし、もっともクオリティの高い作品を選びました。ゲームをどれくらいプレイしたいと思うか、テーマ、コアのゲームプレイ、全体的なビジュアル、ゲームの作品面の評価を個人がそれぞれ行いました。スコア集計結果は、クモが主役の迷路スタイルのゲーム『Entangled』が作品の評価で最高得点を、『Corgi Space Rescue』が特別賞をとりました。
Lion Studios 代表の Rafael Vivas は、「お互いのスキルセットや強み、特徴を知らない人々が集まってチームを組み、見事に協力して4日間でゲームのプロトタイプを作り出せたことには驚愕しました」と述べました。