モバイル消費者
トレンドレポート 2024

消費者性向はモバイルに傾いており、ショッピング、インターネットバンキング、リラクゼーションなど、アプリが私たちの日常生活において欠かせないものとなるにつれて、モバイル広告は企業が消費者にリーチするための効果的な手段となりました。モバイルアプリ内広告には、こうした未開拓のオーディエンスにリーチし、コンシューマービジネスの新たな成長につながるというメリットがあります。

昨今、アプリ内広告を取り入れるなど戦略を多様化することで成功を収めているブランドが増えています。これにより、ソーシャルなどのチャネルに比べて競争が激化していない分野の消費者にリーチすることが可能になります。

ビジネス成長の支援をリードするマーケティングプラットフォーム AppLovin は、コンシューマーモバイルブランドおよび顧客直結ブランドにとって、モバイルアプリでオーディエンスにアプローチするのがかつてないほど重要となっている理由を示すために本レポートを作成しました。また、マーケティングミックスにアプリ内広告を導入し、スケールするためのフレームワークについても説明します。

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重要なポイント

消費者行動がよりモバイル中心になっていることは明らかです。今年、オンライン取引の約50%がモバイル端末で行われており、2025年末には62%に増加すると予測されています。このことから、消費者がモバイルショッピングを好んで利用していることが見てとれます。世界のモバイルコマースの売上高は2024に2兆5,200億ドルを突破し、昨年より16%増加すると見込まれています。

このトレンド（と売上）を追う経験豊富なアプリマーケターや顧客直結（DTC）ブランドは、ますますモバイルをチャネルミックスに取り入れており、その結果、モバイルの広告収益も増加しています。米国のモバイル広告費用、特にアプリ内広告の費用は、2,000億ドル（前年比15%増）、そして今年末までに世界的に4,000億ドル（前年比11%増）に達すると予測されています。

消費者は、出先でも、自宅でくつろいでいるときも、日々の生活においてモバイルがもたらす利便性に依存しています。こうしたインタラクションは、検索やソーシャルメディアにとどまることなく、モバイルアプリ内で起こります。

今日、モバイルで商品やサービスを消費することはごく当たり前のことになりました。そのため、モバイルユーザー獲得戦略は重要であり、あらゆる消費者ビジネスに成長のための競争上の優位性をもたらします。

Sensor Tower によると、2026年、世界のモバイルアプリダウンロード数は1,810億回に達し、消費者支出額は2,330億ドルにも上ると予測されています。このオーディエンスはアプリとのつながりも深く、平均で1日4時間をアプリに費やしています。それと比較して、ユーザーは1日あたり約2.5時間をソーシャルプラットフォームに費やしています。ソーシャルの他にもマーケティングチャネルを多様化することで、マーケターは、消費者が日常的に使用するさまざまなアプリにオファーを配置することができ、より多くのタッチポイントを生み出し、ソーシャルメディア以外の場所でも消費者にリーチできます。

これまでと同様に、ソーシャルメディアは新規ユーザーにリーチするための重要な手段ですが、競争が激しく、多くの場合広告が飽和状態にあるため、消費者のエンゲージメント率に比べて広告費用のバランスが取れているとは言えません。ソーシャルメディア以外でユーザーとつながることで、スケールを最大化し、効率を向上させてリスクを最低限に抑えることができます。

マーケターは、エンゲージメントの可能性が高い時間と頻度で理想的な顧客にリーチできる、モバイルアプリがもたらす機会を無視することはできません。

現在、世界人口の69％に相当する56億人以上がスマートフォンを所有し、モバイル契約を結んでいます。これらのユーザーはさまざまな方法でアプリとエンゲージします。

特に、消費者向けアプリの利用率とモバイル支出額は大幅に伸びています。

アプリ内で獲得した顧客は、他のチャネルで獲得した顧客よりもエンゲージメントが高く、ロイヤリティも高い傾向があります。たとえば、Adjust のデータによるとフィンテックカテゴリーでは、アプリ内広告のユーザーは月に平均9回アプリを起動しますが、ソーシャルメディアで獲得したユーザーは5.8回にとどまります。¹高いエンゲージメントは取引のリピートにつながり、より多くの収益をもたらすとともに、マーケターは、ユーザー獲得および製品機能の強化に再投資することが可能になります。この好循環により、ユーザー体験と継続率が向上し、コンシューマーブランドにとってより多くの収益機会が生まれます。

世界中に3,100万人のユーザーを抱えるシンガポール発のウェルネスアプリスタジオ Enerjoy は、AppLovin と連携し、グローバルなマルチキャンペーン戦略によってサブスクリプション登録者数の増加を促進しました。獲得したサブスクリプション登録者は、他のチャネルに比べてユーザーあたりの収益が23%増加する結果となっています。

アプリ内広告はパフォーマンスと継続率を重視するため、コンシューマーブランドにとって安全な環境と言えます。

米国のファイナンス企業 Experian は、30秒のフルスクリーン動画広告でサービスを紹介し、不適切なコンテンツが表示されるリスクを最小限に抑えています。結果として、ブランドセーフティと、複数の信頼できるアプリを横断したスケールが可能なことから、 AppLovin はすぐに Experian のインストールソースの上位3位に入るようになりました。

モバイルはマルチチャネル戦略の一環として簡単にテストすることができ、計測可能な結果が得られます。ここでは、実績あるベストプラクティスを紹介します。

ファネル下部の目標に焦点を当てたキャンペーンを実施する

アプリ内広告は、企業が顧客にして欲しいアクションに基づいて、顧客にエンゲージするための多岐にわたる方法を提供します。さまざまな目標向けに最適化された高度なキャンペーンを実施することで、多様かつ補完的な継続率とROAS（広告費用回収率）を持つユーザーを獲得できます。このアプローチは、最も効果的なキャンペーンを特定できるだけでなく、エンゲージメントすべき新たなオーディエンスを発見するのにも役立ちます。

高度な AI 広告テクノロジーを積極的に取り入れているプラットフォームと連携する

最近のテクノロジーの進歩により、キャンペーンでは消費者のエンゲージメントに基づいて複数のアプリを横断してターゲットを作成できます。特定の環境ではなく、消費者の行動に焦点を当ててキャンペーンを行うことで、効率的でスケーラビリティの高いキャンペーンを実施することが可能です。このアプローチにより、広告のメッセージと戦略を継続的にテスト・改善し、キャンペーンの効果とスケーラビリティを向上させることができます。

ドイツの小売業者 OTTO は、 AppLovin の AppDiscovery の強力なターゲティング機能と学習機能を活用して、平均注文額を増加させるユーザーを獲得し、D7 ROAS を82%向上させました。

モバイル向けに広告クリエイティブをカスタマイズする

モバイルアプリにおける広告クリエイティブの目的は、消費者の関心を引き、エンゲージメントを促すことです。プレイアブル広告や動画広告などの人気の広告フォーマットを活用して、ブランドとのインタラクションを深めましょう。広告にゲーミフィケーションを取り入れることで、より幅広いオーディエンスにアプリを宣伝し、アクションを促すことができます。ファイナンスアプリやウェルネスアプリなどのカテゴリーではこのコンセプトを使用して、ユーザーがアプリをインストールする前に、どのようにトランザクションが行われるかやフィットネストラッキングのシミュレーションを表示するなど、アプリの機能をアピールしています。​​

覚えておくべきことは、モバイルにおいて万能の広告はないということです。継続的にテストを行い、効果的な施策を繰り返した広告クリエイティブこそが、最も効果的にパフォーマンスを向上させることができます。

顧客がますますモバイルデバイスに依存するようになるにつれ、アプリ内広告で顧客にエンゲージする機会も増えています。モバイル広告により、コンシューマーブランドはキャンペーンのリーチと影響を拡大できるほか、パフォーマンスを向上させるために構築された環境で顧客とより頻繁につながる機会を作り出すことができます。

Footnotes