収益化

Q&A: 広告マネタイズが IAP を補完する方法

AppLovin Japan
8月 14日, 2023

モバイルアプリの収益化に関して、アプリ内課金(IAP)とアプリ内広告(IAA)のどちらを軸にするかに悩んでいるアプリデベロッパーは多いことでしょう。なぜなら、アプリデベロッパーとマーケターは、この2つの収益形態の絶妙なバランスをどうとるかという課題と絶えず闘っているからです。多くの人々が、広告を使用することで IAP 収益の奪い合いが起き、戦略の行き詰まりにつながることを恐れています。しかし、実際のところそのようなことは決してありません。

この記事では、AppLovin の Director of Ad Monetization である Saloni Gangal に、広告収益化と IAP に関して、そしてアプリの収益増加を全体的に促進しながら IAP と IAA の両方を最適に設定する方法について聞きました。

Q1:デベロッパーが主に実装しているのはどのようなタイプの広告ですか?

Saloni Gangal(以下「SG」):通常多くのデベロッパーが実装している広告は、主にバナー広告インタースティシャル広告リワード広告です。それぞれのタイプには長所と短所があり、どれを実装するかはゲームの性質とユーザー体験に大きく依存します。

Q2:これらの広告タイプについて詳しく教えてください。また、ユーザー体験にどのような影響を与える可能性がありますか?

SG:バナー広告は、画面の下部に表示されるため最も邪魔にならないのが特徴です。一般的に、ユーザーはバナー広告に抵抗がありません。しかし、UI要素が画面の下部や上部にある場合、既存のゲームにバナー広告を実装するのは難しくなります。

インタースティシャル広告は画面の大部分を占めるため、バナー広告よりも邪魔になる可能性があります。そのため、ユーザーをイライラさせないように、ゲーム中の自然な区切りのタイミングで表示しなければなりません。

リワード広告は、ユーザーが広告を見ることでゲーム内リワードを得るユニークなフォーマットで、デベロッパーにとって非常に魅力的な広告です。しかし、正しく実装しなければ IAP 収益を食い潰す可能性があるため、繰り返しテストを行うことをお勧めします(ユーザーのセグメンテーション、1日の上限、さまざまなタイプのリワードエントリーポイントなど)。広告の ARPDAU だけでなく、テストを行うことで合計 ARPDAULTV継続率 にどのような影響があるかを評価しましょう。テストをすればするほど、リワード広告を効果的に活用できるようになります。

Q3:ゲームに広告を組み込むうえでのベストプラクティスは?

SG:後からゲームに広告を追加するよりも、最初から広告付きのゲームを開発する方がはるかに簡単です。既存のゲームに広告を追加すると、長期間にわたってゲームをプレイしているロイヤリティの高いユーザーを動揺させる可能性があります。そのため、広告フォーマットのテストと同様にユーザーをセグメント化し、新しい広告戦略を全オーディエンスに展開する前にまず新規ユーザーでテストして、オーディエンスの反応が良いものを見つける必要があります。ユーザー層全般をセグメント化し、各セグメントに対して有効な広告戦略を時間をかけて考えましょう。異なる方法でテストを行い、その結果に応じてデータを評価することが重要です。

Q4:広告戦略のパフォーマンスはどのように評価したらよいですか?

SG:収益化のパフォーマンスを評価する際、アプリデベロッパーは広告タイプごとに異なる指標を考慮し、それらがどのように連動して全体的な収益につながるかを考えなければなりません。例えば、バナー広告は CPM が低いかもしれませんが、定期的に新しい広告に更新されるため、安定した収益源となります。したがって、収益とユーザー体験への影響の両方を考慮して、広告パフォーマンスを包括的に見る必要があります。

Q5:IAP に焦点を当てたゲームを考慮しつつ、広告マネタイズ戦略を構築するにはどうしたらよいですか?

SG:IAP に特化したゲームに広告を追加する場合、ユーザーのセグメンテーションが非常に重要になるため、それについての検討を始めるのが理想的です。デベロッパーは、購入に至る可能性が低いユーザーを特定して広告を表示する必要があります。また、購入者の LTV は主に IAP に起因しているため、購入者向けの特定の広告タイプを完全に避けることもできます。また、これらの広告タイプを追加することで、各ユーザーグループの継続率や IAP にどのような影響があるかを注視してください。既存ユーザーを動揺させないために、最初は新規ユーザーのみでテストするのもいいでしょう。

さらに、どれだけレベルアップをした後に、あるいは何時間後に広告を表示し始めるのかなど、効果的な広告表示方法を見つけることをおすすめします。

Q6:広告パフォーマンスを分析する際、パブリッシャーはどのような指標に注目すべきでしょうか?

SG:最も重要な指標はARPDAU(1日のアクティブユーザーあたりの平均収益)でしょう。この指標からは、1人のユーザーがゲーム内で発生させているさまざまなタイプの収益をすべて包括的に見ることができます。CPM だけでなく、製品に関する意思決定、ユーザーセッションの長さ、インプレッション率なども考慮されます。

この包括的な視点は、アプリデベロッパーが十分な情報に基づいた意思決定を行い、改善点を発見するのに役立ちます。例えば、パブリッシャーがARPDAU ではなく CPM だけを見ている場合、最近の製品アップデートによってユーザーのセッション時間が短くなり、バナー広告のインプレッション数と広告収益の減少につながったことを見逃してしまうかもしれません。ARPDAU はこれらすべてのデータポイントを統合し、ユーザーのリアルタイムの収益パフォーマンスを示します。

また、もうひとつ注目すべき指標は継続率です。特定の広告タイプを追加すると、継続率にマイナスの影響が出ることがよくあります。広告の追加はプラスに働くことが多いものの、ARPDAU と継続率のトレードオフがそれに見合ったものになるように、この指標を注視しましょう。

Q7:収益化を改善するために広告を導入する際に、他にできることはありますか?

可能な場合にビディングを利用したり、ユーザーが1日に視聴できるリワード広告の数に上限を設けたりすることができます。これにより、CPM の低下(ユーザーがより多くの広告を見るにつれて、連続するリワード広告の CPM が下がる)を防ぐことが可能です。

Q8:アプリデベロッパーやマーケターは、広告を使用してどのように IA P戦略を補完することができますか?

SG:リワード広告の導入は、IAP 戦略を補完するための優れた手段です。リワード広告には、ルーレットを回すものや、既存のストアページを終了する際にリワード広告を促すものなど、効果的なタイプがいくつかあります。リワード広告には、ユーザーを引きつけ、アプリを繰り返し使用してもらうための魅力があり、これによってゲームの継続率を向上させ、将来的な購買意欲を高めることができます。ただし、CPM の低下を防ぐため、ユーザーが1日に視聴できるリワード広告の数に上限を設けることを忘れないようにしましょう。

まとめ

アプリ内広告とアプリ内購入は、どちらが上手くいくともう一方が失敗する、というものではなく、2つの良いバランスをとることが重要です。戦略的な計画を立て、主要な指標を理解し、効果的な施策を行うことで、アプリデベロッパーとマーケターは、両方の収益チャネルを同時に成長させることができます。最適なマネタイズへの道のりにおいては試行錯誤が必要かもしれませんが、広告と IAP の両方をシームレスに統合した、魅力的でユーザーフレンドリーな体験を作り出すことこそが戦略の成功と言えることを覚えておく必要があります。2つのチャネルをうまく活用して、より効果的なモバイルマーケティングを実現しましょう。

MAX を活用して、収益を最大化しましょう。

Spread the love